exhibitionDEMEKIN共同主宰
2011年7月1日から連載をはじめました。

2011年7月21日木曜日

右往左往しながら生まれた建築

「原稿依頼を頂いてから早二週間くらい(とっくに締切は過ぎたが;)。
 気づけば何枚書いたことだろう。
 あたかも建築のスタディをしているかのように」 - by入口


締め切り数時間前となってもう一度白紙から書いてみることにした。

色々書いてみたものの、それらを最後になって採用できなかった理由は、つくりたい建築のイメージを先に言葉にしてしまうと、その言葉に支配された建築になってしまう気がしたからだ。

それよりも、この原稿を何枚も書きながら自分を整理していく作業の方が、どんな言葉で語るより、僕がどんな姿勢で建築をつくっていきたいのかを一番素直でストレートに表現していると思った。

それは、あらゆる条件や理屈では伝えられない感覚的な事を頭の中で整理しながら、無数の線を一本の線に完成させていく作業に近い。

僕が初めて建築で感じた喜びは、今思うとその一連の作業にあった気がする。

そこには最初からこんな建築と言える言葉はないだろう。それは様々な編集が加えられた後の結果で良いとさえ思っている。

だから今は、
こんな建築をつくりたいと語るよりも、
「どういう姿勢で建築をつくりたいのか」を語る方が重要じゃないだろうか。

僕が考える事は矛盾だらけ、
だから何度も何度も整理しながらスタディを積み重ねていく。
僕はそういう姿勢で建築をつくりたい。

そこに一貫した建築のプロセスはないかも知れないけれど、
「右往左往しながら生まれた建築」
これが僕の「つくりたい建築」だと思う。

将来、出会う建築を楽しみにしています。



入口佳勝 yoshikatsu IRIGUCHI

3 件のコメント:

  1. 結果よりもプロセスが大事。まあ古来からある謳い文句ですよね!
    意外と筆者は真面目なんですかねw

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  2. いや、プロセスよりも結果というか出来上がった作品が一番、大事ですよ!
    だから、先に言葉に出来ないし、それを見つけれてすらいない。
    むしろ、作品を語る言葉は出来上がってからあればそれでいいような気がしているのです。

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  3. なるほど!
    入口さんコメントありがとうございます。

    タイトルは急遽変更させてもらいましたが、ちゃんとニュアンス伝わっていますか?

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