exhibitionDEMEKIN共同主宰
2011年7月1日から連載をはじめました。

2011年7月29日金曜日

つくられるべき建築のために

一言で言えば「つくりたい建築」はない。

テーマに答えるとすれば、自分なりに「つくりたい○○な建築」があればいいのだけれど、それはないし、そもそも何か固有のイメージを意識して設計行為を行うことは相応しいと思わない。
設計者が「つくりたい建築」をつくるよりも「つくられるべき建築」をつくるほうがずっと自然な行為であると思うからだ。

では「つくられるべき建築」とはなにか。

それは、設計行為の周辺にある事実や出来事から誰もが共有できる「あるべき」を現実に定着させること。

そんなふうに考えている。
僕の場合、自分の頭の中にある小さなイメージよりも、世の中にある多様な事実を一つ一つ紡いでいく方がはるかに大きなイメージに結びついていくと感じる。

だからこそ、
目の前にある事実に向き合うこと。

それまでの自分には無関係な文脈にも手を伸ばすこと。

自分が考えるわがままな妄想よりも、もっともっと広い世界の中から空間をつくること。

そんなことをして建築をつくれれば、と考えている。



後藤充裕 mitsuhiro GOTOH

1986年 宮城県生まれ
2009年 宮城大学卒業
2011年 宮城大学大学院事業構想学研究科空間デザイン領域2年 井上誠研究室在籍

award
2010年度日本建築学会設計競技 最優秀賞
第12回シェルター学生設計競技2010 優秀賞

次回はゲストをお招きします

8月1日0:00公開スタート

テーマ
つくりたい建築

第五回は宮城大学大学院事業構想学研究科空間デザイン領域
博士前期課程2年の後藤充裕さんの言葉より

お楽しみに!

2011年7月21日木曜日

右往左往しながら生まれた建築

「原稿依頼を頂いてから早二週間くらい(とっくに締切は過ぎたが;)。
 気づけば何枚書いたことだろう。
 あたかも建築のスタディをしているかのように」 - by入口


締め切り数時間前となってもう一度白紙から書いてみることにした。

色々書いてみたものの、それらを最後になって採用できなかった理由は、つくりたい建築のイメージを先に言葉にしてしまうと、その言葉に支配された建築になってしまう気がしたからだ。

それよりも、この原稿を何枚も書きながら自分を整理していく作業の方が、どんな言葉で語るより、僕がどんな姿勢で建築をつくっていきたいのかを一番素直でストレートに表現していると思った。

それは、あらゆる条件や理屈では伝えられない感覚的な事を頭の中で整理しながら、無数の線を一本の線に完成させていく作業に近い。

僕が初めて建築で感じた喜びは、今思うとその一連の作業にあった気がする。

そこには最初からこんな建築と言える言葉はないだろう。それは様々な編集が加えられた後の結果で良いとさえ思っている。

だから今は、
こんな建築をつくりたいと語るよりも、
「どういう姿勢で建築をつくりたいのか」を語る方が重要じゃないだろうか。

僕が考える事は矛盾だらけ、
だから何度も何度も整理しながらスタディを積み重ねていく。
僕はそういう姿勢で建築をつくりたい。

そこに一貫した建築のプロセスはないかも知れないけれど、
「右往左往しながら生まれた建築」
これが僕の「つくりたい建築」だと思う。

将来、出会う建築を楽しみにしています。



入口佳勝 yoshikatsu IRIGUCHI

2011年7月19日火曜日

次回は7月21日0:00公開スタート

私たちDEMEKINは2011年7月1日から連載を開始しました。

テーマ
つくりたい建築

第四回は佐藤光彦建築設計事務所の入口佳勝さんの言葉より

お楽しみに!

2011年7月13日水曜日

矛盾のある○○

「わかりやすい建築をつくりたい」 - byフジモ


僕は難しいことを考えるのが苦手だ。というか考える気がない。

たとえば、
建築が空を飛べばいいな、建築が笑えばいいな、建築が歩けばいいなとか。。。

机の高さ750mm、椅子の高さ450mm。。。
いや!
机の高さ10,000mm、椅子の高さ9,700mmとか。。。

日々そんな想像を巡らしながら、
その考えが何か役に立つ日を待ち望んでいる。

めざすは単純明快。
ただひたすら楽しい建築を考えることができればそれでいい。
その建築で人がずっと楽しくなってくれたら素晴らしいことだ。

でもテーマは「矛盾」

軸は単純だけど、全てを明快にしたくはない。
どこか謎めいた部分が欲しい。
誰も解けなくて、気付かないかもしれない。

究極の意味不明な謎。

これは「いいかげん」とは違う。
精巧な不整合、合理的な非合理とも云えるものを含ませたい。

こうして密かにたくらみニヤニヤしながら建築を考えたい。
要は、わかりにくい建築をつくりたいということだ。


藤本直憲 naonori FUJIMOTO

2011年7月12日火曜日

次回は7月14日0:00公開スタート

私たちDEMEKINは2011年7月1日から連載を開始しました。

テーマ
つくりたい建築

第三回は藤本直憲さんの言葉より

お楽しみに!

2011年7月7日木曜日

無意味な空間

「僕がある言葉を使うとき、
 それは僕が選んだ意味を意味するのだよ
 ―それ以上でもそれ以下でもない」

 ルイス・キャロル(鏡の国のアリス)1871


自分がつくりたい建築をはっきりとは言えない。

生まれ育った環境からか、
今まで小さな空間で全体をつくっていくようなものが多かった。

少し掘り下げて考えてみると、
この言葉のようなものをつくりたかったように思う。
その空間は特に意味は無いが、
ある人が知覚することでそこはその人が選んだ空間となる。

一つの空間が多くの意味を内包できるような、
しかし空間自体には意味が無いような、無意味な空間。

人が集まって、
各人が自分の五感、全身を使って選び意味ある空間にしていく。
そこにはたくさんの意味が込められ、混在している。

日によって選んだ空間が変わるかもしれないし、
歳をとっても変わるかもしれない。

都市が日々少しずつ変化しているように、
自分が成長するにつれ空間も成長していくような、
そんな建築をつくりたい。


鈴木政博 masahiro SUZUKI

2011年7月6日水曜日

次回は7月7日0:00公開スタート

私たちDEMEKINは2011年7月1日から連載を開始しました。

テーマ
つくりたい建築

第二回は鈴木政博さんの言葉より

お楽しみに!